の続きで、読み終えての感想となります。…つまりこの本の「俺」は田中角栄が乗り移った石原慎太郎が描く自伝となり…霊界から田中角栄を呼び寄せた自動手記による文書のような感じがしないでもなく…興味深く拝読させて頂きました。…特筆すべきは…「後書き」で、現在の石原慎太郎の田中角栄への思いが熱く綴られている部分で、田中角栄とのエピソ-ドを交え実に素直に「敬意」を表現されていらっしゃいます。…本紙もそうですが…速い話が田中角栄という人物は真の愛国者であり、ロッキ-ド事件はアメリカの罠であり、…どれほど田中角栄が偉大な政治家であったか?を石原慎太郎独特の文体で綴られているのですから…一種の「ケジメ」の一冊なんだろう???と感じました。…政治家を引退し、再度の田中角栄研究を通して…自己の過去の記録と照合させ分析された結果の一冊なのですから…なる程、田中角栄という方はスゴイ方だったのでしょう???しかし、みんなが田中角栄を大批判する嵐の中、一人田中角栄を擁護し「国家にとって大損失だと」談志師匠との対談で涙を浮かべていた小室直樹という天才学者の視点のスゴサを改めて思い知った次第です。
PS.本紙の中での登場人物が名字名前でしっかり明記されており、…俺(田中角栄)との距離感がナカナカ計れないのが残念に思いましたが…そんなコトまで出来れば真の超能力者でイタコの世界となりますので…できないのは当たり前なので仕方のないコトだと思い返しました。…しかし…読み終えて…後書きの中の森元孝氏の質問「貴方は実は田中角栄という人物が好きなのではないですか?」に答える石原慎太郎のセリフ
「私はそれに肯んじた(がえんじた)。」が何故か心に残った次第です。…