【本屋物語】04月14日号 Check… #中野剛志 最新記事 | 「意識高い系」資本主義が「賃金UP」を抑えている訳 | #CarlRhodes #JeffBezos #WokeCapitalism |
Check… #中野剛志 最新記事 | 「意識高い系」資本主義が「賃金UP」を抑えている訳 |
「WOKE」という切り口で、企業が社会問題に取り組むことそのものが本音レベルで利益に直結する現代資本主義の構造と裏側を読み解く。
■「WOKE」とは:「WAKE=目を覚ます」という動詞から派生した言葉。公民権運動時代から使われていた言葉だが、近年は「社会正義」を実践しようとする人びとの合言葉になっている。
■「WOKE CAPITALISM」とは:企業が気候変動対策、銃規制、人種平等、LGBTQなど性的平等実現などに取り組む様子。【「WOKE CAPITALISM」のチャート図】
【「WOKE CAPITALISM」のチャート図】リベラルな「WOKE CAPITALISM」の実践で企業イメージ&株主価値が向上
⇒翻って保守層は「意識高い系」に反発し、選挙では保守党派に投票
⇒保守党派の伸長は、「WOKE」な企業にとっても実はプラス。むしろ「減税」政策の恩恵を受けチート化。さらなる利益がもたらされる。
⇒この構造が継続し続けることで、社会階層は固定化。民主主義の破壊につながり社会はディストピア化。しかし、企業はどちらに転んでもユートピア化。
⇒繰り返し
近年「WOKE」という言葉がよく使われている。「wake=目を覚ます」という動詞から派生したこの言葉は「社会正義」を実践しようとする人びとの合言葉になっている。
たとえば、一般消費者向け企業が、気候変動、銃規制、人種平等、LGBTQなど性的平等、性的暴力廃絶などに参加する様子は「Woke Capitalism」と呼ばれる。
Woke Capitalismの実践で成功した企業は「社会正義」に取り組むことで、株主価値向上にも顧客の開拓・維持にもつながる。
一方で、リベラルなWokeの実践は保守層の反動を煽り、その反動による投票行動で政治は企業に優しい保守党に委ねられる。トランプ現象はその象徴だ。あまつさえ伝統的に企業に優しい保守党派により減税にも与れる。「Woke」を糧にしたキャピタリズムというわけだ。
ある意味で企業にとっては無敵である。ただし、社会には深刻な分断がもたらされ固定化し、民主主義が破壊されることにもつながってしまう。
「WOKE」という切り口で、企業が社会問題に取り組むことそのものが本音レベルで利益に直結する現代資本主義の構造と裏側を読み解く、オリジナルかつユニークな論考。レビュー
【目次情報】
【巻頭解説】偽装された新自由主義(中野剛志)第1章 ウォーク資本主義に関する問題
第2章 企業ポピュリスト
第3章 ウォークの意味の逆転
第4章 資本主義、ウォークになる
第5章 株主第一主義
第6章 ウォークネスの皮を被った狼
第7章 見た目が良くても環境に良いとは限らない
第8章 CEOアクティビスト
第9章 人種、スポーツ、ウォークネス
第10章 人種的資本主義とウォーク資本主義
第11章 ウォークな企業の最高のあり方
第12章 右手で与える一方で
第13章 ウォーク資本主義から目を覚ます
「寄付」のいっぽうで「租税回避」
アメリカやオーストラリアにおける「ウォーク資本主義」の実例については、本書の中で山ほど挙げられているが、その中から一例だけ紹介しておこう。
それは、アマゾンの創業者ジェフ・ベゾス氏である。
2020年、ベゾス氏は、気候変動対策のために、100億ドルもの寄付を行った。この金額は、アメリカ政府が気候変動対策のために投じた資金とほぼ同程度であるという。
なんと意識の高いことだろうか!
ところが、アマゾンが10年間で納めた税金の総額は、この寄付金額の3分の1程度にすぎなかった。2018年にアマゾンは110億ドルの利益を上げたが、法人税はまったく支払っていなかった。2019年の利益は130億ドルだったが、アマゾンの法人税の実効税率は1.2%にすぎなかった。
もちろん、アマゾンは、違法な脱税を行っていたわけではない。世界各国の租税法の抜け穴を巧みに利用して法人税負担を可能な限り軽減する「租税回避」を行っていたのだ。だが、気候変動対策のような公共の利益のために私財を投じるならば、国に税金を納めればよいではないか。租税回避を徹底して私財を貯めこむ強欲さの一方で、気前よく100億ドルもの寄付金をポンと出すなどというのは、矛盾しているのではないか。普通の感覚であれば、そう思うだろう。
ところが、それが矛盾してはいないのである。ここに「ウォーク資本主義」の恐るべき本質がある。
https://toyokeizai.net/articles/-/664325?page=2
でズバリ本質は
現在、世界を席巻している「ウォーク資本主義」は、実は、「意識高い系」に偽装された新自由主義であり、言わば新自由主義の進化系だったのである。
この「意識高い系」に偽装された新自由主義は、見えにくくなっている上、ポリティカル・コレクトネスの威力によって批判しにくくなっているだけに、かつてのような露骨な新自由主義よりも、ずっと質が悪いと言えるだろう。
https://toyokeizai.net/articles/-/664325?page=4
いずれの政策も、労働者の賃金を抑圧し、格差を拡大する新自由主義的な政策でありながら、「女性の活躍」「人生100年時代」「多様性」といった「意識高い系」のスローガンによって偽装された。そのおかげで、強い反対を回避し、すんなりと実行に移すことができたのである。
当時、保守勢力に強く支持された安倍政権が、女性の活躍や移民の受け入れといった進歩主義的な「意識高い系」の政策を打ち出したことは意外だとする見方が多かった。しかし、「ウォーク資本主義」を理解していれば、何も意外なことはないだろう。安倍政権は、その新自由主義の隠れ蓑に「意識高い系」を利用したのである。
https://toyokeizai.net/articles/-/664325?page=5
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内容が多少異なる場合があります。
637回目noteにupさせて頂きました。
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