以下の部分が印象に残りましたもので、Shareさせて頂きます。
堀内:いいえ、原盤国(アメリカ)からアナログテープを96kHz/24bitに変換したWAVデータが送られてきたので、それをもとに作っています。
――音が違うというのは、具体的に何がどう違うのでしょうか?
堀内:今っぽい音というか、CDに近い音なんです。CDに近いというのは音質というより、音圧であったりダイナミックスが、という意味です。やはりレベルを上げていてコンプレッションが強く、より派手な音になっているのです。そのため、昔のレコードの音の印象とはだいぶ雰囲気が異なるのです。そのため、このままの状態でカッティングしてしまうと、違和感が出てしまうだろうな、と。そこで制作の方々とおはなしをして、昔レコードを聴いていた人も普通に(違和感なく)聴くことができ、一方、最近の人にも聴ける音質を目指そう、ということになったのです。
――実際、どうしていくのですか?
堀内:まずは、昔のレコードの音に寄せてみました。EQであったり、コンプなどを使うマスタリング処理で寄せていくのです。こうしたこと、普通のCDのマスタリングでも行なう手段なんです。2ミックスで潰されすぎていることがあるので、これを解いてコンプを和らげてくという手段ですね。“今のレコード”だったらこうでしょう、という音作りをするのです。